獲り込み
1.グレの楽しさ
グレは引きの瞬発力が強く、良型以上になるとバラシも多くなって来ます。
掛かった瞬間に磯根へと一目散に突っ込んで行きますから根ズレでハリスが切れるパターンが多いと思います。ドン深の磯でならバラシの確立も減るのでしょうが・・・残念ながら都合の良いドン深磯にグレの出てくる磯は少なく、大体がシモリがあったりハエ根があったり座が出ていたり・・・そんな所だからグレが潜んでいるわけで、バラシのリスクを感じながらも仕掛けを入れていくのです。
尾長は歯が鋭く呑み込まれたら、まずチモト切れ・・・活性の良いときは早合わせが必要です。
呑み込まれない工夫をした針も出てはいますが、アワセのタイミングを遅くしないと掛からないようで、根ズレのリスクが高くなる可能性もあり・・釣りスタイルによって択ぶと良いでしょう。
食わせてからの一つ目の突っ込みは、潜めるシモリなどに突っ込んでゆきます。
二つ目以降の突っ込みは引かれる側と反対の方向に魚は逃げようとします。
グレ釣りをして来た方はお解かりだと思いますが、磯によって突っ込んで行く場所は大体決まっています。
その磯を知っている事が獲る確立も上げてくれるのですが・・初めて降りた磯では、出てくる方向での推測しか出来ませんが・・・予め突っ込まれたら擦られそうな場所や突っ込まれそうな場所の推測は必要なことです。
よって一つ目の突っ込みはやや強引に止める・・二つ目はハエ根を交わすことに集中する・・三回目以降は瀬ズレを警戒し魚を浮かせる事を考える・・当たり前ですが、この三つの事が出来たら獲れます。
強烈な引きの尾長は、呑み込まれていたら二つ目までの突っ込みで切れる場合が多いです。
二つ止められたら、良い所に掛かっていると思って良いです・・瀬を交わしながら此方のペースを作って行きます・・・時には強引に時には繊細に・・・向うを向かし切らないように竿の操作をする事が肝心です。
2.竿の操作
竿は細いハリスを如何に切れ難くするかの道具です・・
以前試したことが在りますが、二号の竿でブロックにタオルを巻き2号のハリスで二階から釣った事があります。竿をしならせないで上げようとするとハリスが切れますが、竿をしならせて上げようとするとハリスは切れず、
極端な角度をつければ間違いなく竿が破壊されます。ブロックを浮かす事だって出来ます。
それが魚でしたら不意の突っ込みだったり、根ズレや飲み込みがあったりしてハリスの傷でいとも簡単に切れてしまうのですが・・・いい所に掛かった魚はそう容易く切れてしまうモノではありません。
魚を掛けた後、竿の性能を十分引き出して、突っ込みを止められれば取れる確立も高くなるはず。
竿の性能を十分引き出すとは・・その竿に合ったシナリ(曲がり)を作る事です。
竿は自分が思ったほど曲がっていないものです・・・横から見る事が出来たら解り易いのですが、竿尻からしか釣師には見えませんから、凄く曲がっていると思って、必要以上に道糸を出しているはず。
シナリの強さは竿によって違いますから、自分の竿の性能を身体で覚えるしかありません。
釣りをはじめた頃よく言われました「竿を立てろ」と・・自分では立てているつもりでしたが・・・
竿を左右に振っている方をよく見かけますが・・・利にかなった事で左右に振っているのでしょうか・・
魚は引かれる方と反対側に逃げようとしています。
例えば左に突っ込んで行く魚を右に竿を振って止める様とするは、わざわざ魚を向うむきにする様なもので、止め切れずに糸を出す羽目になるのは当たり前・・・左に交わせない瀬があって無理やり止めにかかる場合は別ですが・・少しでも横からの角度で止めた方が止まるし、一気に突っ込むのを凌げば根に持って行かれる確率も低くなるようです。
沖側で食わせた時は竿を出来る限り低い位置でシナらせると下に潜られにくく、近くでは魚の向く方向にシナらせる事で必要以上の糸の出を少なくすることが出来ます。
魚をバラス一番の要因はハエ根に持って行かれスレでハリスが切れるのが多いはずです。
必要最小限に道糸を出して竿を立て直したなら、獲れる確立も上がるのです。
言うのは簡単ですが、実際に食わせた瞬間は大物ほど冷静に竿を立て直すなどの余裕なんてありません。
ノサレ気味での対応しか出来ないのが実情・・・しかしながら、何度も経験する中で身体で覚えてゆく技なのかもしれません・・・大型のキブダイ・サンノジ・キツなど見えて来たら実践の代役として狙ってみましょう。
大型グレを凌ぐ引きを味合わせてくれますよ。。
生意気な事を書きましたが、私も確立よく掛けた魚を獲り込んでいるわけではありません・・
掛けた魚の半分以上はバラシております。
一発大物狙いの私としては、その悔しさも釣りの楽しみとなっています。